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赤道の青いモメント/ペリカン物語

 今回の芝居においては、とても感想を書いたりするのが難しかったので、あとからまとめてみました。
 2本とも正直話自体「面白く」はないですよね。特に笑える場面があるわけでもなければ、盛り上がるシーンもない。ただ単に会話しているだけの、ともすれば退屈なシーン。それを面白く見せるためには、その話にまつわる「何か」をきちっと見せなければいけないないと思うんですね。観ている側に。それはものすごく難しい作業である気がするけど、楽しみな挑戦でもあります。
 特に今まで数年間にわたって脚本を提供してきたU氏は「ベタ」の極みだったじゃないですか。それって高校生にとってはものすごくやりやすいと思うんです。もともと脚本がベタだからやるほうもベタにやればある程度受け入れられる。これは本当に褒め言葉で、彼女の作品と言うのは高校演劇向けだったと思うんです。そう言う作品を書く才能はめちゃめちゃあった。
 ただ今回それとは180度違う作品ですね。シュールです。感動させるでもない、起伏があるわけでもない、事件も起こらない。観客に何か考えることを求めなければ成り立たない作品です。そこでじゃあ、何を見せるかって事なんですよね。何も見せるものがないならサイゼでしてるカップルの会話と何ら変わりがなくなってしまう。まあ、正直なぜこの脚本を?って言う疑問は残るんだけど、でもどんな脚本でも演出と役者次第で最大限面白く見せることは可能だ。
 ってことで自分なりに見せ場を考えてみてみたのですが…。
まず1本目。
この作品の見せ場ってやっぱり気持ちの変化じゃないのかな?最初「何で俺?」って思ってたところから、自分から誘っちゃうまでの男のさあ。もちろん最初から下心あったんだろうけど。最初女が積極的だったのが、逆転現象するわけでしょ?そしたら男の側の気持の変化が一番のポイントになってくるような気がする。そのきっかけみたいなものがね。全てのセリフが淡々としているので、抑揚はない。それは正解だと思います。むりして抑揚つけるとおかしくなってしまう。そういう意味でどうなんだろう?会話のテンポが速すぎてそこをつかむきっかけを観てる側に与える暇がなかったような気もする。OGのN氏が「速すぎる」と言ってたのもそこに原因があるのではないか?まあ、僕もN氏も頭いいほうじゃないので(笑)、ついていけなかった部分もあるかもしれないのだが。まあ、要は登場人物2人とも現況に満足してないていうことなんだよね。その穴みたいなのをお互いが埋めて行こうって言う。ある意味虚しい作品でもあるよね。でも、前向きにとろうと思えば前向きにも取れるし。どちらにせよ普通っぽさがその感じを中和してて良かったと思う。これを重くやったら本当に重くなっちゃうからね。
2本目。
「待つ」という行為をどう捉えるかってことのように思うんですよね。「積極的に待つ」「待たされて待つ」みたいな。この作品も、観ている側に考えさせる作品。ビルの話が出たときになぜ最初から知っていると言わなかったのか、とか。そういうところがきちんと考えられて、作り手の共通理解が取れていたんだろうか?観ている側にはよくわからないけど、それが出来ていればいいと思う。伝わるか伝わらないかはわりと流動的だから。特に一番大事なのはペリカンのマンホールの話が最初に出てきた場面じゃないかな。ペリカンのマンホールの話が女性から出されたとき、男性のほうには何らかの心の動きがあるはずなんだよね。それで知ってて知らない振りするわけだから。そこをどんな風に出すかってわりと重要じゃないかと思うんだけど。そこが考えられてなかったとは思わないけど、ちょっと弱かったかな?物語の中核になるところだし。まあ、個人的な感想なんだけど(それをいったら全部が個人的な感想だけど)。
それと、細かい手の動きとかはどうかと思うんだよね。動きや変化の少ない会話劇だから動きを出そうとするのはわかるんだけど、逆にそれやっちゃうと不自然というか…。ベタな芝居のときはいいんだよ。元からベタだから。でもこれでそれやっちゃうと、不自然さが際立っちゃってなんか見てるほうが恥ずかしくなっちゃう。もし動きをつけるんだったらもっと、身体全体の動きのほうがいいと思うな。段取り的ではなく。本当に身体と台詞が連動した動き。動きと台詞が別々みたいな感じがしちゃった。ここはこう台詞を言ってこう動きます、みたいな。そういう意味でもっと舞台を広く使えなかったものか?建物や木のシルエットが効果的に使われていたとも思えないし。動きのつけにくい芝居だからこそ、大きく舞台を使ったほうが効果的だったんじゃないかな?
 あともう一つ、脚本をネットで読んだんだけど、カットする部分はあれでよかったのかな?人形の誘拐うんぬんはカラスのくだりがないと不自然では?観てる側からすると「あれ?」って思う。他にもそうだったのか、って思う部分があって。カットや付け足しはあってしかるべきだと思うけど、そして決して安易だったとは思わないけど、もう少し客観的な視点が必要だったんじゃないかな?
 いろいろ書いたけど、でも、まとめてみればうちの学校らしい基礎力のしっかりしたいい芝居だったと思うよ。やっぱりそこが大事だと思うんだよ。基礎力があれば安定して見える。あの題材で(高校演劇では難しいって意味ね)ここまで見せられたのも基礎力あってのものだと思うんだよね。まあ、それだけじゃなんだからちょっといいたい事言わせてもらった。
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プロフィール

oka

Author:oka
3つの活動をしています。
①劇団「柴犬ムツコ」主宰。作・演出を手がける。
②2011年5月~都内ライブハウスにて全曲オリジナル曲によるアコースティックライブを行う。
③某私立高校英語科非常勤講師。

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