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作者振り返り(途中まで)

まず客入れ。
今回静かな芝居を意識していたので、客入れ音楽も極めて静かに、を意識しました。
劇中に流れる「星空のリズム」「私の描く空」を少しお客様の頭にインプットしておくという効果も狙いました。全く初めて聞くものよりも聞いたことのある音楽のほうが受け入れやすいからです。その結果、「星空のリズム」(岡本バージョン)と「私の描く空」(mix ver.)の2曲を繰り返し流すことにしました。

舞台美術
最初の案では、全てを透けるようなクリーム色の布で覆う、というものでしたが、予算の関係で、舞台面と、後ろのパネルを有物のグレーの布で多くということにしました。バックパネルはともかく、下に布を敷き詰めるというのは結構大変なことで、まず、役者がそういう練習を全く稽古でできないので、小屋入りしてから初めて布の上を歩くということ、布が動いてしまうのでバミることができないということ、などたくさんの障害がありました。
布で覆った理由は、この世界が全て美緒の心の中であるということ。夢の中、と言いかえてもいいのですが、舞台全体が、ふわっとした中に包まれていて、どこか頼りない、そういった雰囲気を出したかったのです。クリーム色もそうですが、グレーという色にも「不安」「曖昧さ」といった意味合いがあるようなので、ちょうどよかったと思います。
途中で一箇所だけお父さんの部屋をノックする場面があり、実際にバックパネルを叩いてもらうのですが、そこで布の向こうにきっちりとした世界があることが暗示されます。「お父さん」のいる世界は布の向こう、要するにカッチリした世界です。でもそこではまだ美緒は布の向こうには行けません。
GEKIBAの構造は舞台の上手が下手より斜めになっていて、ツラ(前面)が広くなっています。野球のホームベースを縦に半分にしたような形なのです。この上手を利用して、「葵のエリア」としました。イーゼルやベッドなどは舞台下手側=(美緒の意識内)にあります。昔描いた絵の入った箱や、音楽関係のものは舞台の上手、葵エリア=(美緒の無意識)にあるのです。もとは最初のモノローグの位置も逆だったのですが、葵を上手にして美緒の独り言を見ているという設定にして、葵エリアを強調しました。
最後の暗転で、バックパネルの布は取り除かれます。いよいよ美緒がふわふわした世界から進んでいくのです。その向こうには扉があります。そしてその向こうに美緒の描いた絵があるのです。二人してその扉を開けますが、最後に残るのは美緒だけです。ラストシーンについてはまた後で触れたいと思います。

始まり
自分の作る作品はだいたい大きめの音で煽ってから始めることが多いのですが、今回は無音で始めてみました。アコースティックギターソロのメロディーが落ち、一瞬無音状態になり、それからゆっくりと明かりが消えていきます。何もない、無の状態からの始まりです。舞台下手に美緒が浮かび上がり、モノローグを語ります。このモノローグも決して「言葉」ではなく「音楽」のように、車が走り出すのではなく、凪の海を船が出て行くように(と稽古で言ったら笑われたけど)スーッと始まります。自分的には音楽のように聞き流してもらっても構わないのですが、実はここで美緒は葵の存在のことを言っているし、葵が「幻影」であることを明らかにしています。そして、絵が描けない現状を語ります。葵は「終わり」について語ります。葵は美緒の幻影なので、葵の意思がどこまで本人のものなのか、美緒が想像したものなのかの解釈はお任せするとして、とりあえず、葵はきちんと終わることができていない(=何かをやり残している)、ということを明らかにします。
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プロフィール

oka

Author:oka
3つの活動をしています。
①劇団「柴犬ムツコ」主宰。作・演出を手がける。
②2011年5月~都内ライブハウスにて全曲オリジナル曲によるアコースティックライブを行う。
③某私立高校英語科非常勤講師。

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